今回はECサイトのASPの代表とも言える「Shopify」「BASE」「makeshop」それぞれの特徴や費用などを比較していきます。
「コストを抑えてECサイトを始めたい」「低予算でショップを始めたい」「短期での構築を優先したい」方に向けての内容になりますので、これからECサイトを検討されている方は是非最後までご覧ください。
「Shopify」について
「費用や構築納期を優先したいが、カスタマイズ性やSEO対策も意識したECサイトを作りたい」といった方には、Shopify(ショッピファイ)がおすすめです。Shopifyを使えば、初期費用や月額費用を抑えつつ、カスタマイズ性の高いECサイトを構築することができます。また、ShopifyはASPの中でもSEO対策が充実しており、集客面でも優れています。これにより、費用を抑えながらも本格的なECサイトを運営したい方にとって最適なサービスとなっています。
Shopifyは、本格的なECサイトの構築と運営が可能な世界シェアNo.1のECプラットフォームです。現在、世界170ヵ国で数百万以上のネットショップがShopifyを利用しています。
近年、多くの事業者がAmazonや楽天などの既存のプラットフォームを離れ、Shopifyを選択してECサイトの出店を行っています。その理由として、「価格競争に巻き込まれない」という点が挙げられます。Shopifyは独自のブランド価値を創り、価格競争によるマージンの低下を避けることができます。
また、Shopifyを利用することで、独自の集客経路を簡単に構築できます。モール型のECサイトとは異なり、カスタマイズ性が高く、自社のブランドや商品を個性的に表現することができます。さらに、Shopifyは国内外を問わず事業拡大を考える方にとって理想的なサービスです。
shopifyの料金プランは全部で3つあります。
ベーシックプラン | スタンダードプラン | プレミアムプラン | |
---|---|---|---|
初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 |
月額費用 | 33ドル/月 | 92ドル/月 | 399ドル/月 |
クレジットカード決済手数料 | 3.4〜4.15% | 3.3%〜4.1% | 3.25%〜4.05% |
Shopify運営する際に、必ずかかる費用は「月額費用」「決済手数料・取引手数料」です。1ドル135円と仮定しても、ベーシックプランの場合4,455円と月々およそ5,000円以下で運営することが可能で、かなり低価格です。さらに、年払いの場合は全てのプランが25%オフになります。
最初はベーシックプランで小さくスタートさせ、売上が安定するまで様子を見ることができます。その後、上位プランに変更し、さらに事業を拡大を図ることが出来るので、事業規模に対して柔軟に対応できる点が魅力です。
特徴1)支払いを簡単に受け付けられる「Shopify ペイメント」
Shopifyペイメントは、Shopifyが提供する決済サービスです。これにより、ShopifyストアオーナーはECサイト上でクレジットカードやその他の支払い方法を受け付けることができます。手数料は売上に応じてかかります。セキュリティが高く、顧客の支払い情報は安全に処理されます。
項目 | 概要 |
---|---|
取引手数料 | 0円 (Shopifyペイメントを使用する場合) |
入金手数料 | 0円 (Shopifyペイメントを使用する場合) |
入金サイクル | 月曜日から金曜日のどの曜日でも可能 また、毎週か毎月か選択可能 |
決済方法 | Shopify ペイメント クレジットカード(Visa、Mastercard、American Express) Apple Pay Google Pay Amazon Pay PayPal など 外部決済サービス auかんたん決済 d払い ペイジー決済 (Pay-Easy) 楽天ペイ PayPay あと払い(ペイディ) コンビニ決済 ソフトバンクまとめて支払い など PayPal Amazon Pay Apple Pay Meta Pay Shop Pay |
特徴2)SEO対策に強い
Shopifyの特徴の3つ目は、充実したSEO対策機能です。
Shopifyは「販売チャネルが多数」「SEO対策の基本機能が充実」「カスタマイズ性が高い」などの集客面でのメリットがあります。
- 販売チャネルの多様性: Shopifyでは、Instagram、Facebook、Googleショッピング、LINE、TikTok、Amazon、楽天など、多数の販売チャネルを活用することができます。これにより、より広範なオーディエンスにアクセスし、ビジネスの成長を促すことができます。
- 充実したSEO対策機能: Shopifyは、ブログ機能やアクセス解析、広告出稿など、SEO対策に役立つ基本機能を充実させています。また、タイトルやメタディスクリプション、画像のalt属性などを編集することができるため、検索エンジンでの表示を最適化することができます。
- カスタマイズ性の高さ: Shopifyでは、豊富なデザインテンプレートやHTML・CSS編集機能、そしてShopify独自のアプリが利用できます。これにより、独自のブランドイメージやデザインを実現し、ECサイトを個別にカスタマイズすることが可能です。
Shopifyまとめ
- Shopifyは料金プランが柔軟で、様々な人に合わせたプランが選択できる。
- 決済サービスが豊富かつ、Shopifyペイメントでは簡単に受け取れる。
- SEO面での集客に優れていて、販売チャネルも多様。
「BASE」について
BASEは、誰でも簡単にネットショップを作成できるECプラットフォームです。国内では190万店舗の開設実績を持っています。人気の理由としては、初期費用・月額費用などがかからず無料で、初心者でも簡単にサイトを立ち上げられることです。
このような特徴から、BASEは「初期費用をかけずに、とにかく簡単にネットショップを運営したい方」や「まずは試しに始めてみたい」という方におすすめと言えるでしょう。
特徴1)無料でネットショップが開設できる
BASE最大の魅力は、初期費用・固定費用が発生しないプランがあるところです。
スタンダード | グロースプラン | |
---|---|---|
初期費用 | 0円 | 0円 |
月額費用 | 0円 | 5,980円 |
サービス利用料(※) | 3% | 0円 |
決済手数料 | 3.6%+40円~ | 2.9%~ |
参照:料金プラン・手数料
スタンダードプランでは、商品が売れるまで費用が発生しませんので、ネットショップを持ちたいが売上が不安な方におすすめです。
一方で、商品が売れれば売れるほど利益率が下がってしまうので、販路拡大を目指す事業者にはおすすめしません。
以下は、決済手数料を最安値とし、5000円の商品を月に100個販売した場合の、ShopifyのベーシックプランとBASEのスタンダードプラン、後述のmakeshopプレミアムプランのを単純かつ簡単に比較した例です。
5000円の商品を 月に100個販売 | Shopify ベーシックプラン | BASE スタンダードプラン | makeshop プレミアムプラン |
---|---|---|---|
初期費用 | 0円 | 0円 | 11,000円 |
月額費用 | 約4,455円(※1) | 0円 | 12,100円 |
決済手数料 (各最安値の場合) | 17,000円 (全て3.4%の場合) | 22,000円(※2) (全て3.6%+40円の場合) | 15.950円 (全て3.19%の場合) |
サービス利用料 | - | 15,000円(※3) | - |
※2 (5000円×3.6%+40円)×100個=22,000円
※3 5000円×3%×100個=15,000円
参照:スタンダードプランとはなんですか
BASEのスタンダードプランでは、初期費用や月額費用がかからない代わりに、1回のご注文の総合計(送料込)に対し、決済手数料3.6%+40円とサービス利用料3%がかかります。つまり、売れれば売れるほどコストがかかります。決済手数料は各種決済により異なり一定ではないため、一概には言えませんが、事業拡大を目指す事業には向いていません。決済手数料が低ければ低いほど、商品やサービスの売り上げに対する手数料負担が軽減されます。これにより、収益を最大化するために利益を増やすことができるからです。
また、BASEを利用する場合は、売上が17万円以上の場合はグロースプランの方がお得になります。
特徴2)HTMLやCSSといった専門知識が不要でデザインが豊富
BASEでは、無料のテンプレートに加えて、クリエイターが作成したハイクオリティな有料テーマが集まったデザインマーケットが提供されています。これにより、ユーザーは豊富な選択肢の中から自分の好みやブランドイメージに合ったデザインを選ぶことができます。
さらに、BASEはカスタマイズ性にも優れており、専門知識がなくても誰でも簡単に直感的に欲しい機能を追加・編集することができます。HTMLやCSSの知識がなくても、カラーやレイアウト、フォントなどを自由に調整することが可能です。これにより、ブランドの個性に合わせたデザインを簡単に作り上げることができます。
BASEまとめ
- 無料でネットショップを開設することができる。
- カスタマイズやデザインの知識がない人でも簡単に編集できる。
- 予算が少ない方、ネットショップに人員を割けない方におすすめ。
「makeshop」について
makeshopとは、国内で利用されている主要なECプラットフォームの一つで、日本国内のショップ開設数は多く、その信頼性と実績があります。makeshopは、初期費用や月額費用がかかります。ただし、その分高機能なサービスと日本国内での強力なサポート体制が提供されます。事業拡大や日本市場でのショップ運営を重視する方にとって、makeshopはおすすめです。
特徴1)クレジットカードの決済手数料が低い
makeshopの特徴の一つは、クレジットカードの決済手数料が業界最安水準であることです。
月額費用や初期費用は他社と比べるとやや高めですが、ECサイトとしては重要な要素である決済手数料が安くなるため、売れれば売れるほど大きなメリットとなります。つまり、売上が増えれば増えるほど、他のプラットフォームと比べて運営コストを低く抑えることができる可能性が高いです。これは事業拡大を考える上で大きなメリットとなります。
プレミアムプラン | makeshopエンタープライズ | |
---|---|---|
月額費用 | 12,100円 | 60,500円~ |
初期費用 | 11,000円 | 110,000円 |
クレジットカード 決済手数料 | 3.19~3.49%(※) | 3.14~3.49%(※) |
参照:料金プラン
しかし、この他にもSSL証明書に年間13,200円かかるなど、ECサイト初心者がいきなり始めるには他のASPと比べ初期費用や運営コストがかかりすぎる印象です。
特徴2)サポートが充実している
makeshopは、電話、メール、掲示板、HTMLサポートなど、複数のサポートチャネルを提供しており、他の競合サービスと比較して非常に充実しています。困ったことや疑問が生じた場合でも、迅速にサポートを受けることができるという点が安心です。
また、makeshopは日本の企業であり、Shopifyのようなカナダの企業と比較して、日本市場向けに特化したサービスやガイドが提供されているため、利用者にとって使いやすく理解しやすいというメリットがあります。
makeshopまとめ
- 初期費用などがかかるので、すでに売上がある程度ある人に向いている。
- わからないことが多く、手厚いサポート受けたい方におすすめのサービス。
まとめ
今回は人気のECサイト構築ASPであるShopify、BASE、makeshopの3つを比較しました。
ECサイトの目的や業種、規模によって適したASPが異なりますが、集客面(SEO)・運営コスト・カスタマイズ性などを考慮すると、ECサイト運営にはShopifyがおすすめです。特に小規模から事業拡大を目指す場合、プランの柔軟性が高いShopifyが良いでしょう。
Shopifyは多言語・多通貨・海外配送など、海外販売向けのサービスも充実しており、海外展開を視野に入れて商品を販売したい方に最適です。
ShopifyはBASEに比べてSEO設定やカスタマイズが豊富であり、また、makeshopと比べ月額費用などが抑えられます。しかし、ECサイトの構築段階では複雑な設定も多く、初心者には理解が難しい部分も多くあり、プロのサポートを求める人が多いです。ただし、初期構築が完了すれば、運営は管理画面から簡単に行えるため、初期構築のみをプロに任せることも一つの選択肢です。
大切なのは、構築までをスムーズに終え、いち早くECサイトの運営をスタートさせることです。
クロスウィッシュでは「Shopify ECサイト構築サービス」をご用意しています。条件が揃えば、IT導入補助金の活用もできるサービスになっていますので、ShopifyでECサイト構築をご検討中の方は、是非一度ご相談ください。
- 参考記事
- makeshop
- BASE
- Shopify 日本